研究紹介 Research

大元 千種 教授

保育・子育てに関する実践的研究あれこれ

保育者の実践力形成を考える

保育実践力といえば、ピアノが弾けることや手遊びが上手などという目に見える技能面が挙げられることが多いですが、私はそれを支える保育者の子ども観、発達観、保育観という目に見えない力が重要と考えます。それらの力に基づいて具体的な保育方法が生きます。その実践力を保育者が書いた実践記録から探っていきます。保育者は実践をまとめていくなかで振り返り、実践を意味づけていきます。それを集団で検討していく過程で自分とは違う視点を得られ、柔軟に保育をとらえることができていきます。記録を書いた保育者だけでなく他の者たちも学びあっていくことができます。最近は、学生の実践力形成におよぼす記録の効果についても、他の養成校教員と共同研究をしてきました。さらに、保育者が実践力を形成して過程を実践記録や聞き取りによって明らかにしたいと考えています。

子ども家族支援システムのあり方を考える

学内の共同研究者とともに、子ども家族支援のあり方について研究しています。近年フィンランドのネウボラ制度がわが国でも注目されていますが、私たちはフィンラドの包括的支援に着目し、子ども家族支援の基本を明らかにすることを目的として調査研究を行いました。母と子のネウボラ2か所、保育園2か所、家族ネウボラ1か所に視察に行き、その結果、①ソーシャル・インクルージョン、②妊娠期から就学移行までの手厚い包括的支援、③出産前から就学後も継続する支援、④ポピュレーション・アプローチとハイリスク・アプローチ、⑤当事者家族や民間団体の積極的参加が抽出できました。今後は、わが国において、その地域の特質や人材を生かした子ども家族支援を行っている子ども家族支援システムの特徴を明らかにし、今後の支援のあり方を探りたいと考えています。

なお、この研究は、平成26年度及び27年度筑紫女学園大学特別研究助成を受けて行われています。

保育現場における紙芝居の教育力と魅力を問い直す

紙芝居は、日本独自の児童文化材です。大衆性と教育効果を紙芝居が備えているという優れた教育教材です。そのため、紙芝居は戦機高揚のために利用されるなど忌まわしい過去もあります。それくらい紙芝居そのものに大勢の子どもたちを引き付ける力があり、保育現場では紙芝居が多く活用されています。しかし絵本の取り扱いに比べると頻度も少なく、紙芝居との特長を生かしきれていません。もっと紙芝居の魅力とそれを十分に引き出す活用の仕方や演じ方など、楽しみながら研究していきたいと考えています。

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